コンディショニング
ストレッチの最中に、私がいちばん多く言う言葉があります。
息、止まっていますよ。
ほとんどの方が、言われて初めて気づきます。伸ばそうと集中するほど、呼吸は止まります。
そして息が止まっている間、身体は伸びません。
呼吸というと、自動的に起きるものだと思われがちです。たしかに意識しなくても続きますが、実際には筋肉を使った動作です。
息を吸うとき、横隔膜が下がり、肋骨が広がります。吐くときは戻ります。これは立派な運動で、1日に2万回以上くり返されています。
2万回くり返される動作の質が悪ければ、身体に影響が出ないはずがありません。
デスクワークで背中が丸まると、肋骨が広がりにくくなります。すると深く吸えないので、首や肩の筋肉を使って吸うようになります。
本来、首や肩は呼吸のための筋肉ではありません。それが1日2万回動員される。
「マッサージに行ってもすぐ戻る肩こり」の正体が、ここにあることは珍しくありません。ほぐしても、次の呼吸からまた使われるからです。
ストレッチ中に息を止めると、身体は「危険だ」と判断します。防御反応で筋肉が硬くなり、伸ばそうとしているのに縮む、という状態になります。
だから私たちは、伸ばす強さよりも呼吸が続いているかを優先します。
呼吸が止まる強さは、強すぎる。これは自宅でセルフケアをされる方にも、そのままお使いいただける目安です。
力を出すときに息を止める癖がある方は多くいます。一瞬なら問題ありませんが、止めたまま複数回くり返すと、血圧が上がり、体幹の支えも不安定になります。
基本は力を出すときに吐く。それだけで、同じ重さでも安定感が変わります。
椅子に座ったまま、片手をお腹、もう片方を胸に置いてください。そのまま鼻からゆっくり吸います。
見るのは1点だけです。お腹と胸が、どちらも自然に動いているか。
最後のひとつに当てはまった方は、肩こりの原因が肩ではないかもしれません。
よくいただく質問です。答えはどちらも正解で、どちらも不正解です。
「腹式呼吸がいい」と言われることが多いですが、お腹だけで呼吸するのが自然なわけではありません。同じように、胸だけで呼吸するのも偏りです。
自然に呼吸をするとき、お腹も胸も、どちらも動いています。片方しか動かないということは、もう片方が使えなくなっているということです。
私たちが見ているのは「どちらの呼吸をしているか」ではありません。両方が使えているかどうかです。
深い呼吸をするには、肋骨と背骨が動く必要があります。ここが固まっていると、いくら「深く吸おう」と意識しても、入る場所がありません。
だから D/LIGHT では、呼吸を「意識の問題」として扱いません。胸まわりと背中を整えて、深く吸える身体に戻すことから始めます。
入る場所ができてはじめて、呼吸は変わります。順番があるのです。
呼吸が浅いままだと、身体は緊張した状態が続きやすくなります。ヘッドコンディショニングで頭・顔・首をゆるめると、呼吸が入りやすくなる方が多くいらっしゃいます。
頭・呼吸・姿勢は、それぞれ別のものではなくつながった一つのものです。どこから入っても、他に影響します。
呼吸は1日2万回の動作です。ここが変わると、姿勢も、動きも、疲れ方も変わります。
まずは、ストレッチ中に息が止まっていないかだけ意識してみてください。それだけで、いつものストレッチの効き方が変わります。
体験トレーニング(80分 3,300円・税込)では、姿勢チェックのときに呼吸の入り方も確認します。ご自身の呼吸がどこで起きているのか、一度見てみませんか。
ご予約・ご相談は、予約サイトまたは公式LINEから。
「何から始めればいいかわからない」という方こそ、お気軽にご相談ください。